夜空いっぱいに広がる星たちが見えます

 その中で1番に輝く星があります



 それは確かに刻まれた記憶です


 それは確かに共に生きた証です



 あの星が輝いているのですから




 「カンパネルラ…僕達、ずっと一緒だよ…」


 黒い丘の上に1人立ち、ジョバンニはそっと呟きました

 あの優しいカンパネルラを思い出すと…
 時折、涙が出そうなってどうしようもありません

 けれども、ジョバンニは知っています

 カンパネルラがずっと一緒にいることを…
 そしてずっと一緒に本当の幸いを探しに行くのです


 「君の本当の幸いも一緒に探そうね…カンパネルラ」


 ジョバンニはそう夜空に呟いて家へと戻っていきました



 その時のことです


 夜空の星がひとつ嬉しそうに瞬きました





  ―終―